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「なんか矢鱈ピカピカ光ってない?」
カメラの何のランプか知らないが赤い光が高速で点滅している。
「これ録画してるっていうランプだよ」
「え? じゃあもう録画してるの? やだ」
真弓由美と2人で鏡に向かって髪を整える。一応女子ですから。
「真弓由美は怖くないの?」
「え? 何が? 幽霊なんている訳無いじゃん」
「あ、そう」
真弓由美は超常現象否定派だったのだ。ならば何故前世だけ信じるのか。
「前世と幽霊は別物じゃん。幽霊になんてなってたら生まれ変われないじゃん。生まれ変わりがあるんなら幽霊は嘘でしょ」
なるほど、そう言う考え方もあるのか。まあ信じないなら信じないでいい。部長みたいになまじ信じて怪しげな降霊術をするよりも遥かに良い。
「じゃあオカルト研究部になんて誘っちゃって悪かったね」
「えー、別に。って言うか、部長って結構いい男だよね。なんか武士って感じ」
「そうそう、剣道部の方が似合うよね」
「うん。よくテレビで書道家が袴着て書いてる所やってるじゃん。あれカッコいいよね〜」
録画されている事も忘れ、真夜中のトイレで女子トークをしていると、
ジャーーー
「!!!」
いきなり水の流れる音がした。そう、今は真夜中。トイレを使っている人はいない。このトイレには私と真弓由美の2人だけのはずだ。
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