epirogue? No! Prologue!

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epirogue? No! Prologue!

 校門……。人生2回目の校門、これから毎日通う校門。校門、校門、校門〜♪  つい取り乱してしまった。いや、誰でもこうなるであろう。  前回この門を潜った時は不安と緊張でガチガチだった。他の受験生たちも一様に真っ青な顔をして重い足取りだった。それに比べて今日の軽やかさときたら。  みんな前回は各々の高校の制服を着て真面目な格好だった。それが今日はみんなスーツ姿、春休み中に髪を染め薄化粧をした満面の笑みの生徒たち。  そう、私たちは勝者である。ウィアーチャンピオン!   達成感と満足感と期待感の入り混じった若者たちが集う大学という場所の何たる心地よさ。ああ、合格出来て良かった。  私も今日のために新調したスーツに身を包み履き慣れないパンプスで石畳を歩く。タイトスカートなんて初めて履いてみたのでちょっと恥ずかしい。周りの男子たちも初めてのスーツらしく七五三のようで初々しい。  そんな中、女子が群れをなしてひしめき合っていた。いくら非常事態が解除されたと言ってもそんなに密になるのは危ないのではと思い近付いてみた。
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