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「部長、昔犬飼ってました?」
「うん。小さい頃ね。いつも一緒に寝てた。でも随分前に亡くなっちゃってね。凄く悲しかったよ」
その犬なんですね。でも暖かくて安眠出来るのなら放っておこう。
「そうそう栗本さん、実は依頼が来てるんですよ」
「依頼?」
オカルト研究部の活動内容には、校内で起こった怪奇現象の解明をすると言うものがあった。
前部長の時代は依頼もたくさんあって、それは忙しかったそうだ。しかし現在のオカルト研究部の状態を知っている人は依頼なんて出そうとしない。それはそうだ。依頼した所でこの部長には解決出来る力が無い。
それでも切羽詰まった人がダメ元で時々依頼して来る。
「これなんだけど」
依頼は女子バレー部からだった。練習が終わり体育館のモップ掛けをしていると、床下からうめき声のような声が聞こえて来ると言うものだった。
練習中の声が響いているのなら分かるが、声が聞こえて来るのは練習後の静かになってからだと言う。
みんな気味が悪いと怖がっているので何とかして欲しいとの依頼だった。
「体育館の辺りって、昔お墓だったって噂があるんだ。もしかしてその関係なのかなあ……」
「う〜ん、まずは現地調査ですね」
そして部長と2人、体育館へと向かった。
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