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「ナイサー! もう1本!」
今まさにバレーの練習中だった。
「うわ! みんな元気だな。ひゃ〜〜」
激しく飛んでくるボールにいちいち反応しながら部長は逃げ回っていた。
明るい所で見るとかなりいい男なのに勿体ないくらいに情けない。でも不安そうな表情にちょっと母性本能をくすぐられる。
「今は特に何も聞こえませんね」
「うん、そうだね」
床下から声が聞こえてくるのかと床下を霊視してみた。お墓があったと言うのは噂だけで本当はただの畑だ。だとすると何だろう。良く視てみたけれど霊はいそうに無い。
「終了〜。整列!」
「ハイ!」
「コーチに挨拶!」
「ありがとうございました!」
部員が集まり一斉にコーチにお辞儀をした。
「体育会系だね。迫力だね」
部長は感心して見ていた。
そして部員たちはネットを外す者、掃除をする者に分かれ、それぞれ後片付けを始めた。
その時だった。
『ウ〜〜……。ウ〜〜〜』
床下から声が聞こえてきた!
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