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ピアノ弾くモノ
オカルト研究部と名乗ってはいるが、部の活動と言えば”巫女様”のみで毎日が過ぎた。
生半可に霊感のある部長、自分の前世だけ見られる真弓由美、バリバリ霊感はあるが隠している私の3人の元へ依頼をしようなんて奇特な者はいなかった。
そんなある日、放送部からお声が掛かった!
放送部とオカルト研究部のコラボ番組を作ろうとの企画だった。
どこの学校にも七不思議がある。それを検証しようというものだった。
放送部は最新の科学機器を導入し、サーモグラフィや暗視カメラを駆使し、霊を映像化したいと考えていた。そしてその正体をオカルト研究部に検証してもらいたいとの事だった。
部長は大喜びで話に乗った。しかし、部長に検証が出来るのだろうかと不安である。
真弓由美は根性は悪いがカメラ映りは良いのでレポーター役に抜擢され超ご機嫌だった。
そしてロケ当日が来た。学校の許可を得て深夜に撮影する事になった。
「まずは小手始めに音楽室です」
夜中にピアノが鳴るというアレである。しかしまず夜中の学校に誰かがいたのだろうか。夜中にピアノが鳴っていたとしてもそれを聞いた人がいるのだろうか。甚だ疑問である。
「まあ実際に聞いた人はいないんですが、まあベタなところで」
放送部の部長は適当な人だ。とりあえず番組が面白くなるのなら何でもやってやる感がひしひしと感じられる。
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