オカ研入部

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 『オカルト研究部』と毛筆で書かれた看板があった。あまりに上手な字だったので一瞬書道部かと思って戸を開けるのを躊躇したが、今日は体験入部の日、「失礼します」と元気にドアを開けた。 「うわ……」  部室内は暗幕が引かれ、ロウソクの灯りだけがユラユラ揺れていた。周りを見渡すと壁には御札が貼られていた。  祭壇もあり、仏像が安置されていた。オカルト部というよりも怪しい新興宗教の施設にでも来てしまったのではないかと思った。  本棚にはオカルト本がびっしりと並んでいた。月刊モーなるオカルト好きなら必ず読む本も揃っていた。 「やあ、体験入部の方ですか?」 「ひっ!」  暗闇の中から突然声が聞こたので変な声を出してしまった。声の方を見ると暗がりの中に男子学生が座っていた。 「嬉しいなあ。適当に座って。あ、僕は部長の桃林(ももばやし)大和(やまと)です」  部長と名乗る男子は、桃林と言う可愛らしい苗字よりも名前の大和の方がピタリと合いそうな、中々端正な顔立ちの和風美少年だった。  オカルトよりも剣道の方が似合いそうだった。 「初めまして。栗本(くりもと)(あい)です」 「なんと、栗本さんですか。嬉しいなあ」 「え?」 「ずっと待っていたんです。きっと良いパートナーになれますよ」 「は?」 「ほら、桃栗3年って言うじゃないですか。栗の付く苗字の人待っていたんですよ」 「はあ……」  やや呆れていると、部長は(すずり)と半紙を取り出し、いきなり書道を始めた。  書き終えると部長は自慢げに半紙を掲げた。なんと、『愛』と書いてあった。それもとても上手に。
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