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01:白狼ノ神の話【神子と真祖とバケモノと】
カーテンを閉め切った薄暗い部屋。
カーテンの向こうには燦々と輝く太陽がある――けれど、その光はこの部屋には届かない。
もし、それが届いてしまった場合――この部屋の主は、永遠に目覚めを迎えないだろう。
…っていうか、消えるんだっけ?
綺麗に整えられた大きめのベッドの上、
そこに横たわっているのは――まるで作り物のように整った容姿をした黒髪の男。
苦しみも、安らぎもなく、変な話が人形よりも感情が汲み取れない顔で、男は眠り続けている――ざっと百年くらい。
…あ、そう言えば最初十年くらいは苦しげな顔してたっけ――…まぁ、自業自得だから同情しないけど。
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