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バレンタインには報告を!?
フレ「さあ、今年もバレンタインが終わったという事で、報告会といこうか!」
要 「は!? えっ!? どこココ!?」
啓悟「おっ、今年は新入りが居るじゃん! 誰の知り合い?」
フレ「僕だよ」
雪人「フレッド君の知り合いとはまた珍しいね」
隼人「設楽さん、お久し振りです」
要 「隼人さんまで!?」
真崎「ああ、尊の弟さんですね」
雪人「そうか、匡成のところの…」
啓悟「え? なになにっ、みんな知ってんの!?」
フレ「それじゃあ、先ずは自己紹介からの方が良いのかな。僕はフレデリック、まあ知らない人はいないよね」
啓悟「てか、コレ始めたのフレッドじゃん」
雪人「私は辰巳雪人。匡成の…恋人だ」
真崎「雪人様、さらりと苗字の自慢をなさらないでください」
要 「え、辰巳…って…」
フレ「まぁ、辰巳のパパの恋人って事かな」
要 「えぇー…」
啓悟「じゃあ次は俺ね! 俺は篠宮啓悟! 恋人はー、藤堂っていって、めちゃくちゃ大人でカッコイイ俺の憧れなっ」
隼人「啓悟…、あなたも便乗しないでください」
フレ「そういう隼人だって、自慢したくてウズウズしてるんじゃないのかい?」
要 「あぁそっか、隼人さんの相手って…。確かに須藤さんがお相手じゃ自慢したくもなりますよね」
隼人「わかってくださいますか!?」
フレ「あーぁ、言っちゃったねぇ」
雪人「これは長くなりそうだなぁ…」
真崎「隼人様にとって、甲斐様は神にも等しい存在ですからね」
啓悟「お、俺ちょっとトイレ…」
隼人「逃がしませんよ啓悟」
啓悟「う…っ」
要 「もしかして俺、やっちゃった系…?」
フレ「責任とって最後まで聞いてあげなよ」
隼人「設楽さんもご存じだとは思いますが甲斐はですね、それはもう産声をあげたその瞬間から人の上に立つべくしてお生まれになられた方なのですよ。神々しいお姿もさることながら常に冷静沈着かつ円転滑脱。まさに神のような存在で…」
雪人「隼人、その辺にしておきなさい。そんなに甲斐を褒められると私が照れてしまうよ」
隼人「雪人様…!」
フレ「おや、雪人が隼人を止めるなんて珍しい事もあるものだね」
真崎「雪人様はあれでも甲斐様のお父上ですよ。空気くらい読めます」
啓悟「助かった…?」
要 「助かったって…隼人さんてそんなに凄いんですか?」
フレ「まあ、要はあまり絡むことがないから知らないだろうけれど、隼人に甲斐を語らせたら夜が明けてしまうよ」
啓悟「うんうん。隼人とフレッドにだけは語らせちゃ駄目だ」
要 「そんなにっ!? てかフレッド…さんも?」
啓悟「あれは数年前のゴールデンウイーク…。いやぁ凄かった…」
要 「えぇー…」
真崎「それよりも、要さんの自己紹介がまだですね」
フレ「そうだよ要、新入りなんだからみんなに挨拶してくれないと」
要 「うっ、あの…設楽要です…?」
雪人「要君か」
啓悟「なあなあ要の恋人って誰なの!?」
要 「劉…国峰…一応…香港の事業家ですけど…」
真崎「なるほど、それでフレッド様とお知り合いという訳ですか」
雪人「このところ一意も手広く活躍しているようだからね」
啓悟「へぇ、香港かー。香港のバレンタインってどんなの? すげー気になる!」
要 「えっと、こっちは女の子のイベントっていうより、なんか男が花束を贈るらしくて…、夜は食事に誘うのが普通みたいです」
隼人「薔薇を九十九本、ですね」
啓悟「なんだよ隼人、知ってたのかよ」
隼人「もちろんですよ。チョコレートを贈るのは、日本くらいのものですしね」
フレ「そうだねぇ。フランスでも恋人と過ごす日といった感じだけれど、僕は日本のバレンタインも気に入っているよ」
雪人「今年は、何を一意に贈ったんだい?」
フレ「今年はフォンダンショコラを作りましたよ。辰巳は甘いものが苦手なので、もちろんビターチョコでね」
啓悟「甘くないフォンダンショコラってどうなのよ?」
隼人「甘党の啓悟には向きませんね」
啓悟「そういう隼人は甲斐さんに何贈ったんだよ?」
隼人「実は…今年は甲斐様から指輪を頂きまして…」
雪人「ほう。甲斐が?」
フレ「それは、結婚指輪?」
啓悟「マジ!?」
要 「えっ? 隼人さんと甲斐さんってもう長い付き合いだったんじゃ?」
真崎「その言い方からすると、要さんはすでに指輪を貰っているようですね」
フレ「そうそう、あれは確かニューイヤーイベントの時…。銅鑼湾を周遊する自家用クルーザーの上で…」
要 「ちょっ!? なんで知ってるんだよ!?」
雪人「いつも思うけれど、フレッド君の情報収集力は素晴らしいね。やはりSDIに来ないかい?」
フレ「雪人が熱心に誘ってくれるのは嬉しいけれど、僕はクラシック・ライン社が気に入ってるんだ」
雪人「それは残念だな」
要 「ちょっとソコ!? 俺の質問に答えてよフレッド!」
啓悟「うわー、要って案外キモ据わってんだなー」
隼人「怖いもの知らずというものですね」
真崎「わたくしの調べたところによりますと、要さんは怖いもの知らずというより、ただ単純な性格のようですが」
隼人「確かに。以前も突然甲斐に声を掛けてきましたね」
真崎「何事にも夢中になってしまうと周りが見えなくなってしまうタイプのようですね」
雪人「そういうタイプは得てして我に返ると……」
フレ「大人の話に口を挟むなんて、無粋にも程があるね。要?」
要 「う…っ」
啓悟「あーあ。俺知らない」
雪人「啓悟君は賢明だね。さすが征悟の息子だ」
隼人「そういえば、啓悟のお父上と雪人様はご学友でしたね」
雪人「匡成もな」
フレ「ところで要、ごめんなさいはどうしたのかな? それとも、何か反論でもあるかい?」
要 「ぅ…。ご、ごめんなさい…」
フレ「素直で結構だね」
啓悟「うわー…、あれ絶対辰巳さんにもやってるよな」
隼人「でしょうね」
真崎「聞こえますよ、お二人とも」
啓悟「なあ、それよりもこの会の趣旨忘れてね?」
雪人「そうだったそうだった。それじゃあ啓悟君は彼に何をあげたんだい?」
啓悟「俺はいつも貰う方だってば!」
フレ「啓悟は、学に毎年チョコレートを食べさせてもらってるんだよね?」
啓悟「待ってフレッド…、笑顔が怖い…。まさか…」
フレ「嫌だなぁ啓悟。学がキミのどこにチョコレートを食べさせているかなんて、いくら僕でも知らないから安心しなよ」
要 「……絶対知ってるヤツだ…」
啓悟「ぅぐ…」
隼人「啓悟…」
啓悟「雪人さんは!? 今年は何あげたのさ!」
雪人「よくぞ聞いてくれたね啓悟君! 今年はプライベートジェットを新調したから、匡成とオーストラリアに旅行に行って来たんだよ。おかげでまだ少し眠くてね」
要 「駄目だ…ついて行けない…」
啓悟「聞くんじゃなかった…」
フレ「プライベートジェットかぁ、僕も買おうかな」
雪人「それは構わないけれど、あまり一意を連れ出されるのは困るな」
フレ「匡成に手間はとらせないよ。辰巳には後継者が居るからね」
雪人「それなら安心だ」
啓悟「うわぁ、一哉可哀想…」
要 「この人たちの思考回路ってどうなってんの…?」
隼人「人の上に立つとはそういうものです」
啓悟「隼人、それ絶対違うから」
雪人「ところで真崎はどうだったんだ?」
真崎「わたくしは尊にケーキを焼いていただきました」
要 「兄貴がケーキ!?」
真崎「はい」
啓悟「あれ? 真崎さんの相手って確か…」
フレ「辰巳と匡成の部下だよ」
啓悟「あのデカい人と要が兄弟…?」
フレ「そう」
隼人「似てないと言いたいのでしょう? 啓悟」
要 「あー…兄貴って言っても血の繋がりはないから…」
啓悟「へぇー。…って、あのガタイでケーキかよ!」
要 「それ、俺も思った…」
真崎「失礼ですね。尊はとても器用ですよ? 休日などはわたくしと一緒に料理もしてくださいます」
啓悟「意外…」
要 「あ。でも確かに料理は得意かも。兄貴の飯めちゃくちゃ美味かったし」
フレ「僕とどっちが美味しかった?」
要 「ぅえ!?」
隼人「フレッド、大人げないですよ」
フレ「まぁ、今日のところは引いてあげようかな」
要 「助かったー…」
啓悟「要も結構苦労してんのな…」
真崎「とりあえず今年の報告は以上ですね?」
フレ「うんうん、今年もみんな幸せそうで何よりだよ」
雪人「今度はこのメンバーで旅行にでも行ってみたいものだね」
啓悟「それって絶対収集つかなくなるヤツじゃん…」
フレ「何か言ったかい? 啓悟」
啓悟「いやッ! な、何でもないよ!? あは、あははは…っ。ただ、どうせなら藤堂も一緒の方がいいなぁー…なんて?」
フレ「それもそうだね。スケジュールの調整が少し難しそうだけれど、今度はみんなで旅行に行くのも楽しそうだね」
雪人「移動は任せてくれていいぞ」
フレ「宿泊先は、僕が手配しよう」
要 「マジでこれ実現しちゃう系!?」
隼人「そのようですね」
真崎「これまでも雪人様は、仰ったことは必ず実現させてきましたから」
啓悟「でもさ! それはそれで絶対楽しいって!」
フレ「それじゃあ決まりだね。次回は、みんなで旅行に行くという事で」
啓悟「どうせならクリスさんとかも呼んじゃおうよ!」
フレ「啓悟はクリスが大好きだねぇ」
隼人「甲斐のスケジュールがありますので、予定が決まりましたら早めにお知らせください」
雪人「隼人は相変わらず真面目だねぇ」
真崎「雪人様にも少しは甲斐様を見習っていただきたいものです」
雪人「ぅぐ…」
啓悟「真崎さんつえー…」
要 「俺、なんで啓悟さんが他の人呼ぼうとしたかなんかわかったかも…」
フレ「はいはい! それじゃあ今年はこの辺で! そろそろ、辰巳が帰ってくる時間だからね」
啓悟「了解! じゃあまたな!」
雪人「今年も楽しかったよ、フレッド君」
隼人「ご連絡をお待ちしてます」
要 「あ、あの…フレッド…、それってやっぱり俺と劉も…?」
フレ「当然だろう? 拒否権などないと劉に伝えておきなよ」
要 「あっ、はい…」
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