さしあたって、することは?

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 前世で両親以外に〝血族〟と呼べる存在がいなかったティアラには、それだけで充分だった。  前世でも、ティアラは決してではなかったけれど。でも、ふとした時に、やはりなのだと感じていたのだろう。  古来より『人間(ひと)は一人では生きてゆけない』と言う。それは自分を取り巻く環境に、周囲の人々にだと言う。  それは、本当のことではあるのだろう。しかし、それだけではない。一人=独りであり、孤独は耐え難い、と言うことだ。  人肌が恋しいというのは、何も寒いからだけではない。寒いのも本当かも知れないが、やはり寂しいから、淋しさこそが身に染みるから………なんだと思う。  一人でいる方が気楽だと言うのは、確かに真理である。けれど、ふとした時に〝孤独〟を感じるはずだ。  〝会話に飢える〟のは、致命的と言える。人間関係のコミュニケーションの取り方は会話………と言うか言語だから。  それは唯一、人間だけが〝言語〟を与えられた種だから、だ。  バビロンにより、共通の言語こそ奪われたが、言語そのものは奪われなかったから。  一般的に言う、イルカなどのように〝超音波〟などでコミュニケーションを取ることは出来ない。
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