さしあたって、することは?

9/13
前へ
/20ページ
次へ
(まぁ、今はそんなこと考えてても、しょうがないんだけどさ。)  だって。今の状況には関係ないんだし。名前を借りただけなんだから。でも、名前もそうだが、そのテの小説に詳しい(ごく僅かの)友人から聞いた話では、銀髪・紫瞳 と言う設定は多いらしい。  ティアラは、自分の想像力・独創力の乏しさに頭を抱えたくなった。とは言え『ティアラ=セレスティア』と言う名前以外は、ティアラ自身ではなく、あの女神が考えたものかも知れないが。 (『乙女ゲームの世界に転生』とかってよく聞くけど、がそうでも、原作(もと)のゲームもわかんないしなぁ。)  施設育ちのティアラには、娯楽の為のゲームに費やす金銭などなかった。そもそも、『衣食住』に必要最低限の物を揃えるのに、精一杯だったのだ。  そんなティアラには、ゲームでさえも『贅沢な嗜好品』であった。五千円~のゲームなどに費やす余裕など、あろうはずもない。  節約・倹約出来るものは、とことんまでやるのが、ティアラの信条だったからだ。そこで、ふと気付いた。  中堅とは言え、貴族令嬢に転生するより、それに仕えるメイドとかに転生した方が、遥かに向いてるんじゃないか、と。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加