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必要に迫られて習得したものだったけれど、家事は嫌いではなかったし、特に料理(菓子作り含む)は『特技』と言っても差し支えなく、一時は『シェフ』や『パティシエール』も進路(候補)として視野に入れたほどだった。
まぁ、専門学校に進学したり、ましてや留学するのに必要な費用がある(用立てられる)わけでもなく。
だが、家事全般を完璧にこなす体力だけには、自信があったので、割りのいい肉体労働系のバイトをしつつ、と言うのも考えなかったこともなかったが………。
まぁ、五歳の貴族令嬢に転生させられた時点で、以前のような体力は期待出来ないのだけれど………。
そもそも、だ。五歳程度の未発達な躰に、それほどの体力が蓄えられるはずないし。
使用人がいるのだから、蓄えられたとしても意味がない。だって〝使い道〟がないのだから。
-何と言っても、まだ『たったの五歳』なの
だから-
五歳と言えば、前世の現実世界では、幼稚園児だ。やっと、小学校入学前の勉強を始める頃だ。この世界でも、家庭教師を付けて、勉強を始めるのは五歳になってから、となっている。
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