さしあたって、することは?

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 無論、五歳になるティアラは、これから家庭教師が付くことになる。とは言え、家庭教師を雇えるのは精々、それなりの貴族から。  平民は勿論、一代限りの騎士爵や男爵………一部の子爵などでは難しい場合もある。  ティアラは伯爵家なので、何の問題もないけれど。上は王族・公爵・侯爵、下は子爵・男爵・騎士爵と、身分制度があるシェルセラ王国なら、伯爵は本当に『中堅貴族』だと言える。  けれど、本当にティアラの両親は向上心がないわけでもないが、野心はなく、善良であり、それは兄も同様であった。  ティアラ自身としても、取り敢えず。愛してくれる家族と、日々の衣食住に困りさえしなければ、平民であっても問題なかったけど………まぁ、折角『望み通り』と(自称)女神が言うので、夢に見た『お嬢様人生』と言うのを体験したかった、と言うのもある。  とは言え。魔法が当たり前に存在するような異世界だ。ぶっちゃけ現実世界で言うところの『ニート』でも、最低限以上のスローライフくらいは出来るんだろう。  五歳までとはいっても、では、この国の治安は良く、平民でも生活は安定している。経済状況は、現代よりも景気は良いと言えそうだったし。
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