29人が本棚に入れています
本棚に追加
なら。しつこいようだが、この自称『女神』もべらぼうに生きてるワケで。悠に百歳越えてて、十人、二十人の子や、孫どころか、玄孫までいても不思議はないとか?
そもそも。先刻からいる、このただっぴろい真っ白な空間は、何なんだろう?ってか、何処だよっ?!とツッコミたい。
「あ、あのさー。ラノベとかによくある設定だけど『異世界転生』ってことは、私………死んだワケ?」
私の問い掛けに、女神はパラパラと、どこから取り出したのか不明な、手帳(らしきもの)のページを捲る。
「ええ、そう。死因は心臓発作ってことで、突発的な死よ。だから、死んだことに気付かなかったせいで、意識もハッキリしてるでしょ?」
その言葉に、やっと我に返り、記憶を手繰る。そう言えば、大学からスーパーまで近道しようと、路地裏に入ったとこで、急に心臓に痛みが走って、苦しくなったんだっけ。で、気が付いたら、ココにいた…………。
-ああ、私………ホントに死んじゃったのか-
思いの外、大したショックも受けず、冷静に『突然死』を受け入れられた。それは生きていることに、何の意義も見いだせなかったからなのか。
生かされて、与えられた日々を無為に生きてるだけだった。ただ時間を惰性で消費してるだけに過ぎない。
「やっぱり、冷静ね。でも、貴女は幸運よ。私の厚意で『異世界転生』させたげる。しかも、チート能力付きで。」
また『にこっ』と笑って、そう言う女神。顔(容姿)だけ見るなら、ホントに美少女だな。
最初のコメントを投稿しよう!