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断じて、私がひねくれたり、僻んだりしているわけじゃない、ええ、ありませんとも!
「………何て言うか、ありきたりで使い古された名前ね。どこぞの『著作権云々』に引っ掛からないかしら?
まぁ、貴女には『愛してくれる両親が健在』でさえあれば、それでいいんでしょうね。じゃあ、いってらっしゃい。貴女に幸せが訪れますように。」
『神のご加護~』と言わなかったのは、女神なりの優しさか。それとも罪悪感か。
そんなことを、ふと考えながら、華宵の意識は光の中に溶けていった………………
「ごめんなさい、華宵………こんなことしかしてあげられないお母さんを許してね?」
『元人間の私には、これが限界………ね』。そう自嘲した女神の姿は、光の粒子になって消えた。その言葉が華宵の耳に届くことはなかった…………………
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