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少年は絶望していた。
なぜなら彼は、
10歳という年齢で経験するには
余りに過酷な日々を送っていたからだ。
母親は小学校に行く前に死亡。
チャラチャラした父親は
その性格ゆえにすぐに再婚したが
間もなく離婚。
その後も女性をとっかえひっかえ連れてくる。
もちろん、そんな父親が、
少年の世話などするはずもなく
結果、少年は毎日、
ヨレヨレのズボンと
シミの付いたタンクトップで
学校に登校していた。
夕飯は毎日カップラーメン。
肌はカサカサ、
歯はボロボロ。
そんな彼は、学校でもイジメにあった。
どこにも居場所のない毎日。
理解者も救いの手も
彼の前には現れなかった。
そして、とうとう、彼は決心した。
こんな世界は、滅ぼしてしまおう、と。
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