3:「何で英語?」

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3:「何で英語?」

プルルルル、プルルルル。 スワイプ。 A「はい」 B「……アノー」 A「声ちっさ!」 B「ずっと気になって夜も寝られへんのやけどな」 A「ほお」 B「きっとお前ならこの難問を解きほぐしてくれると思って」 A「解き、明かす、な?」 B「……ほぐしてもらおう思って電話させていただきました」 A「あ、はい、すんませんなんかいらんこと言いまして」 B「俺らってほら、ファミリーコンピューター世代やんか」 A「いや全然違うよ。プレステ世代や。ファミコンなんか触ったこともないわ」 B「そっちでもまあええねんけど。あれ、あるやん、あのー、あれ」 A「なんやねん。スタップ細胞はあります!とかやめや」 B「ぷふぅっ!」 A「やめろお前」 B「今のはどうなんやろねえ?」 A「やめろやお前、ツッコミがボケることに対して拒否反応が強すぎるねん。もうちょっと広い心で受け止めてくれんと」 B「よう言うなぁ。俺が普段どんだけお前のハードパンチ受けてると思てんねん」 A「どこがやねん、愛情に溢れた丁寧な突っ込みを心掛けてますけど?」 B「愛なんかあるかぁ日本刀で切り付けるみたいな突っ込みばっかりかましやがって」 A「どないやねん、パンチなんか刃物なんか」 B「ケースバイケースや、それくらい愛はない。…けどスタップ細胞はある!」 A「お前もちょっと言いたなってるやん!」 B「あ、せや、スタップ細胞で思い出してんけど…」 A「はよ先進めや毎度毎度!前振り長いねん!」 B「いやいや、あかんあかん」 A「何がっ?」 B「こんないがみ合ってる場合やない。ここは一旦落ち着こう。一旦共闘やで。手を取り合って互いにこの難問に取り組むべき局面やでアキオ!」 A「……それはお前、いじめっ子が急に言い出すエエカッコしいの薄っぺらいノリのやつやん。クラスメートを巻き込んで大きなうねりを作り上げていく嘘くさい美談の押し売りとしか受け取られへんわ。もしくは映画版ドラえもんでいきなり優しくなるジャイアンや。あれ絶対のび太も心の整理ついてへん思うで。おまえ昨日までさんざん…」 B「突っ込みが長い!一個のボケに対して突っ込みが多いねん!お前たまに俺のボケを追い抜かしていくやん。ほんまそこは気を付けなあかんで」 A「これが俺の愛情過多な突っ込みスタイルやがな。お前は頑張って俺の先を走り続けてくれよ」 B「英語禁止ホーーーーーーール!」 A「……なんて?」 B「英語禁止ホール」 A「……お笑いビッグ3の?」 B「うん」 A「古いわっ。今一瞬思い出されへんかったよ、今日はとにかく総じてネタが古い」 B「ほないくでせーの!」 A「待って何がっ?」 B「よーーーい」 A「……(ゴクリ)」 B「『はじまりはここから』!」 A「そこはスタートでええやろ」 B「はいアウトッ!」 A「お前もやッ!」 B「よっわ! ……俺らよっわ」 A「瞬殺とはまさしくこのことやで。瞬殺オリンピックあったらぶっちぎりで金メダルの世界新や。恐るべしやな」 B「ほな、本題いこか」 A「え、本題? 英語禁止ホールもう終わったん?」 B「終わったで、いつまでも過去にしがみついてたらあっと言う間にライフイズオーバーやで」 A「『ラブイズオーバー』みたいに言うな。大して英語禁止で戦ってないのにもう英語喋りたなってるやん」 B「あのー、HPってあるやん?」 A「……ごめん、もっかい言うて? 今の流れやと間違いなく『誰が欧陽菲菲(オーヤンフィーフィー)やねん!』って言われる思て全然耳に入ってこんかったわ」 B「誰がそんな雑な突っ込みするか。ファッキンシット!」 A「無理やり英語放り込んでくるな。お前のボケの方が大分雑やで」 B「HP」 A「……それなに?」 B「エッチピーやがな」 A「だからそれはなんやねん」 B「お前、俺がなんのためにファミコンの話したと思うん?」 A「最後ちょっとだけセツコに寄せて行くんやめろ、話が頭に入って来んよーなるから」 B「にいちゃん、なんで尾藤、すぐファミコンの話しよるん?」 A「雑ッ!大分雑やなぉ前、今日調子悪いんちゃうか」 B「いずこよりいましあらぶる神とは存ぜぬもかしこみかしこみ申す。この地に塚を築きあなたのファミコンをお祭りします」 A「!!!(むせる、鼻出る)」 B「こっちやったかー」 A「チョイスが渋いなぁ、もののけ姫かぁ。『誰もが一度は口にしたいジブリ映画名台詞ランキング』の48位、森光子やん」 B「低っ。15位くらいやろ」 A「微妙っ。ほななんで15位を言うたんや、1位で俺を攻略してこいよ」 B「1位なんか有名すぎて絶対お前には刺さらんやんけ」 A「そうなん?ほな1位はなに?」 B「モロの娘だねぇ。うわさはきいていたよ…」 A「なんで乙事主やねん!それはお前が今単純に森繁久彌の物真似披露したなっただけやろ!なんでお前の中のジブリは全部往年の名俳優で再現されんねん。今日のお前は大正ロマンか?」 B「…そのボケはどうやろう?」 A「もうええって」 B「ほなアキオの思う1位なに?」 A「……はりつめた~ゆみの~」 B「セツコ、それ台詞やない、メラや」 A「急に言われても『もののけ姫』以外出て来おへんやん。普通に考えたら『黙れ小僧』か『そなたは美しい』とかちゃう?」 B「えええええ~?そんなん言いたいかあ?」 A「再放送とかのCMでもばんばん流れとったし、そらそうちゃう?」 B「俺は嫌やわ。俺はやっぱり『紅の豚』かな、男って絶対あの映画好きやろ」 A「ああ、ええとこ突くな。確かにええよな」 B「『早く飛べっ!豚!』」 A「違う違う違う違う、そんなサディスティックな台詞は出てこない。お前ちゃんと見てないやろさては」 B「見てるよちゃんと。アドリア海を舞台に……飛行機プワ~~ンやろ?」 A「見てへんやんけッ!お前ようそんなCMちらっと見ただけの浅っさい記憶で紅の豚言うてくれたな!」 B「いやいや、今はそんなことよりほら、HPはなんのことやと思う?って、そっち大事やから。今日のテーマやから」 A「だからなんのことってなんのことよ? ゲームに出て来るHPやろ? 体力とかそういう意味ちゃうのん」 B「なんの略?」 A「……略?」 B「え、略やろ?なんとか、かんとか、ほいでHPやろ?」 A「…ああ、多分」 B「なんや思う?」 A「お前はどう思った?」 B「ほとんどピンク」 A「なにがッ!!??」 B「せやし、ほとんどやん」 A「ありえるかあ。そんもんは林家ペーとその嫁にしか適用されへんやんけ」 B「ちゃんとパメラさんと呼んでくれ」 A「パー子や。ほとんどピンクなパメラさんはそれもうただの女王様やん」 B「飛べっ!豚!」 A「どSやなぁパメラさん。頼むしジブリには出んとってな?」 B「でもそういうことやろ?考え方としては」 A「なにが? どこのこと言うてる? ほとんどピンクってお前、言うてもその後に100とか200とか数字くっついてくんのに、ほとんどピンク100ってまぎらわしすぎるやろ」 B「ほなアキオはどう思う?」 A「……ホイットニー・ピューストン……」 B「……」 A「……」 B「……なんか、ごめんな」 A「ううん。ええねん、こっちこそごめん。やっぱり尾藤はすごいな。やっぱおもろいわ。おもろいボケを思いつくお前が最高やわ」 B「いやいや違う違う、俺はいつもアキオの突っ込みに救われてんねん。俺がどんな無茶なボケをかましても全部打ち返してくれるんやから」 A「そんなことはないよ」 B「いやいやいや」 A「……」 B「……」 A「……」 B「……ホイットニーピューストンハナイヨ」 A「声ちっちゃッ!!!」
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