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「ちょっ、と!どういうつもりですか?」
先ほどのまでの小洒落た雰囲気から一変して、安っぽいホテルの一室に連れ込まれた気分は最悪だった。部屋の中央に置かれた大きすぎるベッドが、空間を圧迫している。
「さっき言ったじゃないですか」
掴まれた腕を振り払ってドアノブを捻るが、ガチャガチャと音を立てるばかりで開く気配はない。
その間に篠崎は背後に迫り、自分の身体とドアで挟むように押さえつけてくる。両手首を掴まれ、冷たいドアに縫い付けられる。
「離、せ」
「嫌ですよ。もう我慢する意味もないし」
「我慢?なにをだ」
興味など毛頭ないが、とにかく話を続けなければならない。その内に篠崎の頭が冷えることを願った。
「田嶋さんを犯すこと」
「か、からかうのも大概にしてくれ!言っておくが、私にここまでする価値はない!」
「それは、俺が決めることですよね?」
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