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性急な口付けに、彼が普段見せる爽やかさは無かった。後ろで腕を一纏めにされ、捕らえられているような錯覚を起こす。
「っはぁ……田嶋さんね、俺のこと軽率っていいますけど、あんたも大概ですよ」
掴まれた顎が痛い。無理矢理振り返らされた首が軋む。
「意味が、わからない……」
「分からない、か。都合の良い言葉ですね」
顎を掴んでいた手が前に回り、ベルトを引き抜くと前を探り出す。身を捩るほど、力の差は歴然だった。
「くっ、う……」
慈しむように掌が腹を撫でたのは一瞬で、滑り込んだ指が直に触れてくる。ビクリと身を引くと、腰に篠崎の熱いものが当たった。
「田嶋さんのいろんなとこ見たいけど、今日は早くイれたい。でも安心してください。痛い思いはさせませんから」
「ぁあ!はっ……ふ、ぅ」
勃たせるためだけの、乱暴な愛撫。今日は、という言葉に絶望的な気分になった。
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