ほっといてくれない

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女の人は僕に夢中でほっといてくれない。 僕はいつも女性に人気で、きゃあきゃあ、言われてる。自慢じゃないけど、僕とキスしたがる女性は後を立たない。 その度に僕は、 「順番だよ。順番」 って、彼女達に優しく囁くんだけど、僕の魅力に当てられちゃって、話なんて聞いてくれない。おまけに、すぐに独占したがる。そばにいてもらいたがるのは女性の可愛い所でもあり、いじらしい所だよね。 キスしたら例外なく真っ赤になってしまう所もいいね。 人目を忍んでキスしたがる子もいれば、 朝起きたら必ずキスする子もいて、 トイレでも、人前でも、電車でも彼女達は僕にキスをせがむ。 僕は1人なんだよって、 言ってるのに聞いちゃくれない。 昼ごはんの後にもキスして落ち着いてくれたかなって思ったら、 仕事終わりもキスされる。 ほんと、参っちゃうよね。 モテる男は身体が幾つあっても足りない。 え? 僕の見た目? そりゃ、スラってしてて、スタイリッシュってよく言われる。 自分で言うのもなんだけど、イケメンってやつかな? 仕事は真面目にしてるよ。キスばっかりしてる訳じゃない。でも、僕ぐらいになればキスが仕事と言っても過言じゃないかな。 いや、生きがい、ライフワークみたいなものか。 そろそろ、僕の正体が知りたいかい? ヒントを3つあげよう。 1、僕の身体の一部を女の人はほっといてくれない。 硬くて、棒状だけど折れたりしないーーって、 これは大人の話じゃないよ。 勘違いしないで貰いたい。 僕は間違っても下品な男ではない。 むしろ、上品が溢れる男さ。 ところ構わずキスしたがるのは女性達であって、僕は立派な紳士だ。 2、女の人は僕とキスをしたがる。けど、男の人は僕とキスしたがらない。 時々、したがる人もいるにはいるけど、ノーマルな人はしたがらないね。 男で僕にキスしたやつは時々「バケモノ」って呼ばれてる。 あ、ちょっと分かってきたかな? 3、実は僕の正体は1番最初に目にしてるはずだよ。 ほっといてくれない。 ほっといて紅。 紅の色をしてキスするのが僕の仕事。 女の人を「化(ば)かして」 男の人を「バケモノ」にしちゃう。 僕って罪なヤツ。
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