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夏山
夏休みの或る日、健一は恋の思いを吐き出したくて堪らなくなって近くの夏山へ出かけた。
よく見るシロバナトリカブトやドクダミの白い花に加え、時おり見るカラスウリの糸状の白い花やヤマユリの赤や黄の斑模様が入った白い花、そして極めつけは小人の世界のペンダントライトみたいなオオバツツジの白い花で、その可愛らしさに癒されたりしながら中腹まで登った健一は、びっしょりと掻いた汗を拭きながらよしここで良いと思い、向こうの夏山に向かって思い切り叫んだ。
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