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冬山
夏休み後、二人による直美争奪戦の火蓋が切られた。
と言っても二人とも直美とほとんど喋ったことがないから何とか取っ掛かりを作ろうと勇気を振り絞って話しかけようとするのだが、中々切り出せないでいるネガティブな争いとなった。
そんな風に二人がうじうじしている間に健一は或る時、或る男子生徒からこう聞かされた。
「おい、吉田がさあ、席替えしてから隣の清水(直美)と親しくなったみたいだぜ」
「えっ!」と健一は思わず叫んだ。「ど、どういう風に?」
「授業中にさあ、吉田がなんか知らないけどエッチな事でも囁くからなんだろうけど、清水がよく吉田の腕とか太腿とかを抓るんだよ」
「そ、そうか・・・」
「そんで二人してしょっちゅう笑い合ってさあ、なんかいい感じなんだ」
「そ、そうか・・・」
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