冬山

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「吉田の馬鹿野郎!」  すると、向こうの冬山から叫び声が返って来た。 「吉田の馬鹿野郎!」  これは山彦じゃない。健一に違いないと確信した隆は、これから彼と傷の舐め合いをすることになるだろうと思い、情けなくなった。  健一も同じくそうなった。  嗚呼、シンクロニシティ・・・と二人は対峙する冬山の中腹で同時に呟いた。
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