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「荷物、どんどん減らしてるつもりなんですけど。
ダンボール、山のようになってるんですよねー」
マンションの廊下を歩きながら、明日香は秀人に言った。
この月末にマンションを出ることになったのだ。
部屋を貸してくれていたおばさんが日本に帰ってくることになったからだ。
「あんた、結婚するんなら、ちょうどいいじゃないの」
とおばさんは言うのだが、まだ式の日取りも決まってはいない。
ただ、秀人は前から、自分のところに引っ越せと言ってくれていたので、話はすぐに決まったのだが。
でもそれ、別に片時も私と離れたくないからってわけじゃないんだよなー。
引っ越すと決まったら、妙に懐かしく感じられてくる廊下の壁のシミを見つめながら、明日香は思った。
この間、夜店で、新しい秀人をとってきたのだが、その秀人が心配なようなのだ。
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