898人が本棚に入れています
本棚に追加
貴継が扉を開けた隙間から、二人で縦に並んで、一緒に覗く。
「おっ、二人で出て行ったぞ」
「なんかラブラブっぽいですね」
「俺たちくらいにか」
そ……それは知りませんけど、と赤くなりながら、
「すみません。
重いので退いてください」
と明日実の上にのしかかるようにして、廊下を見ている貴継を押し返そうとする。
「もっと重くしてやろうか」
と上から抱きすくめるようにして、貴継は体重をかけてくる。
「やや、やめてくださいよっ。
ていうか、叫んだら、気づかれますしっ」
しっし、と貴継を払おうとするが、
「よし、まあ、ちょっと来い」
と言って、明日実は奥へと引きずられて行った。
最初のコメントを投稿しよう!