とあるマンションの住人の恐怖の日々

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 やったっ。  もう閉まるっ! とホッとした瞬間、隙間から白い手が差し込まれ、扉をこじ開け……  てくるんですけどね、貴継さんが借りて来られるB級ホラー映画なら……、と明日実は思っていた。  実際には、お面の人は、あの女の人の部屋のドアだけを見つめていて、こちらには気づかず、明日実はスマホをつかんだまま、しゃがんでそれを眺めていた。  あ、後ろに花の鉢持ってる。  そういえば、あの彫像の人かな、この人。  っていうか、何故、お面? と思った瞬間、すうっと閉まった扉に視界を塞がれた。  誰かがエレベーターを呼んだらしく、一度上まで行って、下りてくる。  もう中に入れてもらったかな、あの人、と思いながら、降りたが、彼はまだ、そこに居た。  もうお面は外していて、あの美しい顔が露わになっていた。  貴継さんに言うと、バーナーでいたぶられそうだけど、やっぱり、息を呑むほどお美しいです、と思いながら、眺めた。
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