呼び子が三つ鳴ったから

3/16
前へ
/16ページ
次へ
一つめは、わたしの名前を呼ぶ声でした。 二つめは、差し出された綺麗な手でした。 三つめは、闇のように深く黒い瞳でした。 それからあの人は、じいっと翁草を見つめていました。 わたしはそのとなりで、永遠が存在すればいいのにと、告げられないこの愛が憎らしく、泣きたい気分で翁草を見つめました。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加