呼び子が三つ鳴ったから

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一つめは、わたしの名前を呼ぶ声でした。 二つめは、差し出された綺麗な手でした。 三つめは、闇のように深く黒い瞳でした。 わたしの手にしていた、ちょうど明かりを灯したばかりのランタンがぼんやりとわたしとあの人を照らしていました。 わたしは気が付くとあの人の胸の内に居ました。その時、わたしとあの人以外は闇に満ちていました。
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