第一章魔王復活と勇者達

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   「もう~、僕このお酒臭い人キラーい。」    「まぁまぁ、そう言わずにさ。」    「それに、なんで僕たちは勇者ちゃんと別行動なんだよ。」    勇者と別行動をしている少年は保護者的存在の男性に駄々を捏ねていた。    「ふわぁあ~……おい、そこのちび……」    「だから、僕はちびって名前じゃないんだから。」    「ははは……。セシルいいじゃないか。」    「よくないよ~。僕にはセシルって名前があるだ……」    セシルはかなり苛立っていたが、保護者的存在の男性は冷静に対処したのである。    「セシル、今はナルと喧嘩してる場合じゃないんだ。」    「だってこのお酒臭い人やだもん。この前だって僕が大切にしていた物に吐くし……。」    保護者的存在の男性は小声でナルに確認した。    「あははっ……お前、そんなことしたのかよ」    すると、ナルは……    「気分が悪かったんだからよ、しょうがないじゃん。」    「それでお前、セシルには謝ったのか?」    「……まだ、だけど」    「お前なぁ……。」    呆れながらそう呟くと……    ゴゴゴゴ……    何処からか魔物達が現れ……    ギーーーー……    いつの間にか囲まれてしまっていました。    「僕は今、機嫌が悪いんだ。さっさと消え失せろよ。」    「おいおい、1人で先走ると危ないぞ。って、聞いちゃいねーな。」    「ナル、戦えそうか?」    「少しなら、戦えるぞ。」    2人はセシルを援護するように戦闘体勢に入った。    ギャオーーン……    ぐあぁぁぁぁ……    次々と魔物を倒していくセシルだったが油断したのか、魔物が背後に回り込まれていた。    「ちっ……あいつ」    「おい、セシル大丈夫か?」    「僕がこんな雑魚相手に負けるわけが……」    パシン………    響き渡る音に、魔物達が呆然としていた。 何故ならば、ナルがセシルの頬を叩いたからである。    「な、なにするんだよ……」    「お前、いい加減にしろよ。なんで、もっと俺やナオトを頼らないんだ。」    「まぁまぁ、説教は後でいいから。」    「だいたい、ナオトが甘やかすからこうなるんだろうが。」    流石に我慢の限界だったナルは魔物がいるとはいえ、説教を始めました。 するとどういう事なのか魔物達がその場から退散してしまっていました。 おそらく魔物達は呆れて戦う気が失せてしまったのだろう。    「と言うことだ。セシルもちとは反省しろよ。わかったな……」    ・・・・・。    「返事は?」    「は、はいっ……」    「ははっ……だいぶ説教をされたみたいだな。」    「………。」    「あと、あん時はすまなかったな……。お前の大事ものに吐いちまって。」    ナルは説教をし終えたあとに謝罪をセシルにした。 ずっと黙りなセシルに優しく声をかけてやった。    「セシル……。」    「う、うわぁ~~ん……」    セシルの中のモヤモヤしていたのがなくなったのか急に泣き出してしまいました。    「よしよし……お前、実の父親に怒られたの初めてだもんな。」    「ひっく、ひっく!……」    「大丈夫だ。勇者と行動をともにするまでは俺とナルでお前を援護するから……。な、だから泣き止みな。」    「ひっく……う、うん……」    わあぁぁぁあ……    何処からか叫び声が聞こえてきました。 3人は悲鳴が聞こえた場所に走って行き、辿り着くなり驚く光景を見てしまいました。    「や、やめろ……。オレは男だ。」    「知ってるよん。それに、俺とお前の中だろ。」    「ちげーよ。」    どうやら男同士で怪しげなことをしているらしい。 見かねたナルとナオトは声をかけることにした。    「あの……」    「なにやってんだ?お前ら。」    2人は3人の方を向き……    「この変態をどうにかしてくれ」    「いや~照れるね……」    ぶるっ………    「ね、ねえ。この人馬鹿なのかな?」    「さーてな。」    「あはははっ……」    唖然とするセシルだが取り敢えず、ナルやナオトに(こいつ踏みつけていい?)と言いました。    「程ほどにしろよ。」    「わかってるよ。」    セシルは2人の方へ近づき襲っている人に向かって(お仕置きです)と言い手加減して踏みつけました。    「あん……君、いいね。もっと俺を痛みつけておくれよ。」    「うわ~キモいんですけど。」    セシルは呆れ果てていた。    「で、なんであんなことしてたんだよ。」    「弟が可愛くてついね。」    「ついね、じゃねーだろ。オレ達男同士で双子だろうが。」    ・・・・・。    「ふ、双子……」    「まじで?」    「本当だよん。俺が兄で此方の女装をしてる方が弟だよん♪」    ポカーン……    どうやらあの騒ぎは兄であるサンが弟のムーンを襲っていたらしい。    「アホだ」    「アホですね」    ナルとセシルは白い目でサンを見つめた。 すると、何処からか1人の男がやって来た。    「サン、君は何度言ったらわかるんだ。」    「てへっ」    「てへっ、じゃねーだろ。オレはお前にいつも迷惑してんだよ。」    「サン、君には仕置きが必要みたいだ。それからムーン、着替えだ。」    ムーンは男性から着替えを受け取り直ぐに着替えました。 そして、男性にお仕置きをされているサンを見つめながら(この光景も悪くないな)と呟きました。    「あん、ごめんなさぁい……」    男性にかなり叩かれ反省したサンは謝罪をしました。 ムーンはまだ苛々している様子だが今回ばかりは許すことを決意した。    「うぅぅ……痛かったよぉ……」    「自業自得だろうが。」    「そ、そうだけどさぁ。人前で叩かれるの恥ずかしいって言うか……。」    「変態がそれを言うな。」    男性がナル達に近づき、(お恥ずかしいところを見せてしまいすみませんでした。)と謝罪をしました。    「君はこの双子のことを知ってるようだけど、どういう関係なんだ?」    「私はサンとムーンのお目付け役をしております。」    「と、言うことは……」    「そのとうり、執事でございます。」    さっきまでとは全く口調が違いとても丁寧に話をしていきました。    「ねぇ……」    「君は…さっきの」    「僕はセシル。おじさんも大変だね。」    「大変ですが、これも使命ですから。特にサンには振り回されますがムーンにはいつも優しくしてもらっております。」    双子の兄のことは想像していたが、弟が意外だったので正直驚いた。 それから、男性から全てのことを聞き共に行動することに決めたのです。    「おい変態、いつまでオレにくっついてるつもりだ。いい加減離れろ。歩きにくいだろうが。」    「えー、俺は別に歩きにくくないんだけどなぁ……。」    「てめー、沈めるぞ。」    「ま、まぁ落ち着けって。なぁ……」    一気に2人の子供が出来たようで、いろいろと大変だった。 だが、お目付けのスカイにより直ぐに対応してもらいなんとか森を抜けることができた。    「ねぇ、ムーン。」    「な、なんだ?」    「僕と、その……」    「ん?……」    「いや、なんでもないです。」    セシルは友達になってほしかったようだが、どうやって伝えたら良いのかわからず諦めてしまった。 だが、ムーンは何かを感じ取ったのか(友達になりたいんでしょ。)とはっきり答えたのです。 2人の話してる姿を見たサンは強引に話してきました。    「ずるーい。俺も仲間にいれてよん。」    「うわ~、変態がきた。」    「ひっど~い。俺はこんなにムーンのことを愛してるのに。」    「僕、寒気が……」    「オレもだ。」    急に寒気がしてきたムーンとセシルは悲鳴をあげながらサンから逃げ出した。    ぎゃあぁぁぁぁあ……    サンは悲鳴をあげる2人を追いかけ……    「ついてこないでください……」    「ついてくるなぁ……」    「着いてくるなって言われて着いていかない奴なんていないよん。」    わあぁぁぁあ……    「だ、誰か……」    「スカイ、この変態をどうにかしろぉ……」    ムーンはスカイに助けを求めました。    「全く、サンと来たら……ムーン、セシル、私の方へ来なさい。」    スカイは2人に指示を出しました。    「わ、わかった。セシル、行くぞ。」    「う、うん……」    「逃がさないぞぉ。2人とも、まてぇ……」    ニコニコしながら2人を追いかけ続けるが、途中スカイに捕まってしまい本日2度目のお仕置きを受けた。    「サン、今度と言う今度は許しません。覚悟なさい。」    「あん、す、スカイ……やめてよぉ……」    「駄目です。」    「や、やあぁぁん……」    サンはこっぴどくスカイに叩かれたのであった。    「あん……あん、スカイめぇ……。俺の尻が割れたらどうしてくれるんだよぉ…」    「元々割れておりますが。」    「あ、そうだった……あん……」    「ま、まぁスカイ、その辺にしてやったらどうだ。こいつもこりただろうしな。」    はぁ………    スカイはため息をついた。    「貴殿方(あなたがた)がそうおっしゃるのであれば仕方ありません。只し、また何かをやらかしたら私は容赦しませんから。お分かりいただけたでしょうか。」    「わ、わかった。わかったから早く俺をおろしてくれよぉ。」    スカイはサンを下ろしてやりました。 スカイから解放されたサンは自信の尻を擦った。    「うぅぅ、痛かった……」    「おい、サン、お前がムーンのことを好きという気持ちはよくわかった。けどな、俺の息子を巻き込むのはやめろよな……」    「は、はい……ごめんなさい。」    こうして、サンはナルからも説教を受け少しは大人しくなったのでした。    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:セシル    性別:男    年齢:13歳    誕生日:8月5日    種族:人間    その他:ナルの息子だが、ナオトに育てられた。勇者のことが好き。    武器:ナイフ    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:ナオト    性別:男    年齢:38歳    誕生日:3月19日    種族:人間    その他:ナルとはお馴染み。ナルに頼まれセシルを育てる。    武器:銃    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:ナル    性別:男    年齢:38歳    誕生日:7月7日    種族:人間    その他:ナオトのお馴染みでセシルの本当の父親。だらしないが本当は誰よりも息子を大切にしている。    武器:狙    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:サン    性別:男    年齢:14歳    誕生日:2月14日    種族:人間    その他:双子の兄。変態で弟のムーンを女装させる。よくスカイにお仕置きをされる。    武器:ほうき    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:ムーン    性別:男    年齢:14歳    誕生日:2月14日    種族:人間    その他:双子の弟。兄であるサンに無理やり女装させられる。兄に対しては冷たいが仲間には優しい。    武器:ほうき    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:スカイ    性別:男    年齢:26歳    誕生日:3月14日    種族:人間    その他:サンとムーンのお目付け役(執事)。よくサンにお仕置きをする。    武器:槍    ☆★☆★☆★
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