第一章魔王復活と勇者達

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第一章魔王復活と勇者達

   今から、500年前魔王が勇者の力によって封印された。    「魔王よ、ここで封印されろー」    「や、やめろ~~、やめてくれぇぇぇぇ!この僕を封印するなぁぁぁぁ……。」    「はあぁぁぁ!」    封印された魔王は勇者を道連れにしようとするが、女神の力によって遮られてしまう。 魔王が封印されてからは平和な日が続くがある日突如魔王が復活してしまった。    ゴロゴロゴロゴロ~~~    ピカッ、ピカッ!どっか~ん!?    「フフフフ……あっははははっ、僕は蘇ったんだ。勇者、また君に会える。楽しみにしてるよ。僕を封印した恨みを果たすまでは……」    魔王を封印出来るのは選ばれた勇者とその仲間達のみ。 国王は各国から種族を集めた。    「諸君、よくぞ集まってくれた。君達を此処に集めたのは魔王が復活したからである。我々も協力するが君達レイヤーと此処にいる1人の勇者で魔王を再び封印してほしいのじゃ……」    国王は集まったレイヤー達に挨拶をし、今起こっている事態のことを話した。    「では、検討を祈る」    国王は大臣と一緒にレイヤー達の前から去っていった。 残されたレイヤー達は話し合ったり、中には悪口の言い争いをする者、勝手に眠る者、食事をする者と自由にしていた。 そんな中、勇者は1人寂しく城の中庭へ出ていった。    「私なんかが本当に魔王を封印出来るのかな……。それに、魔王を封印出来るのは私と選ばれた1人のレイヤーだけだなんて……」    勇者は不安だった。 何故、自分が勇者に選ばれたのか……何故魔王が復活してしまったのか…… 勇者とレイヤーが魔王を封印するとき、勇者は沢山の力を使い命を亡くす言う言い伝えがある。    「怖い……私、まだ死にたくない……。ずっと生きていたい。でも、各国の人達を救いたい。私、どうすればいいのかな。」    1人寂しく独り言を言っていると1人の青年が心配そうに此方へやって来る。 その青年の名前はシュウだ。 シュウは勇者とお馴染みで仲がよく、いつも一緒に遊んでいた。    「勇者、大丈夫だ。此処には、お前と共に旅をするものがいる。だから、心配するな。」    シュウは勇者を励ました。    「有難う、シュウ……。私、元気が出たよ。そうね、私1人だけじゃないよね。」    勇者はシュウの言葉に励まされ魔王を封印する決意をしたのであった。    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:シュウ    性別:男    年齢:19歳    誕生日:6月25日    種族:人間    その他:勇者のお馴染み    武器:弓    ☆★☆★☆★    いよいよ試練のとき。 私は覚悟を決めレイヤー達と共に様々な試練をすることにした。 その試練は簡単なものではなく、厳しいものであった。 けれど、絶対に魔王を封印したいと言う気持ちがあるからこそどんな試練でも乗り越えられると思ったのだ。    (う~ん、どうしよう……。魔物とどうやって戦えばいいんだろう。)    試練が既に始まったと言うのに1人で悩んでいるといつの間にか沢山の魔物に囲まれていました。    「わわ!?しまった……こんなに沢山の魔物をどうすれば……」    パニックに陥った勇者だったが、いつの間にか魔物が倒されていたのです。    (た、助かった……でもいったい誰が?)    辺りを見回すとそこには1人の青年がいた。 きっとこの人が助けてくれたのだとすぐに理解した勇者はお礼を言おうと青年に近づいた。    「あ、あの…助けてくれて有難うございました。」    「これぐらい、自分でどうにかしろ。お前、それでも勇者かよ」    お礼を言われたのに関わらずその青年は冷たい態度だった。 無理もない。 その青年にはほぼ全ての記憶がないのだから。 つまり、記憶喪失だ。    「あと、お前と馴れ合うつもりはない。本気で魔王を封印したければお前の力を見せてみろ。無理ならさっさと帰れ!」    「む、無理なんかじゃありません。」    勇者は杖に念じた。 微かだが、杖が光だしたのがわかった。 すると青年は立ち上がり、勇者の方へ歩み寄った。    「へぇー、少しは出来る方か。だがお前はまだ本当の力を出し切れていないようだ。」    「あの、それはどういうことなんでしょうか?」    「さーな、あとは自分で考えろ。」    青年がそう告げると何処かへたちさっていってしまった。    「ま、まだ名前も聞いていないのに……」    1人残された勇者は再び歩き出す。    「ぅぅぅ……」    すると、今度は道端で腹を押さえている青年を見つけた。    「あ、あの……大丈夫ですか?」    勇者は心配になり青年の方へ歩み寄り、大丈夫かと聞いた。 すると、小さな声で(だいじょうぶ)だと青年は答えた。    「いや、でもお腹押さえてますし」    「本当に……大丈夫……。ただ……お腹が……す、空いてるだけ。勇者、食べ物……ちょうだい!」    どうやら腹を空かせていただけらしい。 勇者は青年に持っていたお菓子を渡しました。    もぐもぐもぐ……    ごっくん!    「お、美味しい……」    「ふふっ!良かった。元気になったみたいで。」    「勇者……お菓子……有難う……」    青年は勇者にお礼を言い、自分が何者なのかを語ってくれました。    「俺は……魔王を封印するためにエルフの里から来た。そして、勇者……お前を見つけるた……めに……」    ぐぅ、ぐぅ……    「ね、寝た……」    青年は話してる最中急に眠り、驚いた勇者は青年の体を軽く揺らし起こそうとしました。 中々起きてくれず困り果てていると、今度はケモノらしき人物が通りかかったので助けを求めました。    「あ、あの…この方が全然起きてくれなくて困ってんです。一緒に起こしてもらえないでしょうか?」    すると、ケモノらしき人物は勇者にこう言いました。    「こ、こいつは……シュリじゃねーか」    「あの、知ってるんですか?」    「あぁ、こいつは甘えん坊エルフでな。たく、面倒をかけやがって。」     ケモノらしき人物はシュリをおぶり勇者と一緒に歩きだしました。    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:シュリ    性別:男    年齢:1000歳以上    誕生日:4月18日    種族:エルフ    その他:甘えん坊で勇者のことが大好き    武器:杖    ☆★☆★☆★    「あ、あの……。」    「なんだ。」    「い、いえ……なんでもありません。」    (怖い人だけど本当はいい人にちがないなぁ……。でも、このケモノらしき人誰なのかな?)    勇者は考え事をしながら歩いていると、急にケモノらしき人物が立ち止まった。    ふぎゃ! その弾みで、勇者はぶつかってしまいました。    「きゅ、急に立ち止まってどうしたんですか?」    「し、静かにしろ……。」    「ん?」    勇者は言われた通りに静かにした。 すると、向かい側から誰かがやって来るのが見えた。    「ちっ、出会したくない奴が来やがったか。俺様、あいつだけは苦手でな。」    ぐぅ、ぐぅ……ん?    さっきまで眠っていたシュリが目を覚まし、いきなりケモノらしき人物の耳を掴んだ。    「んにゃあぁぁぁ…!」    「え!?」    「ふふっ……耳……ふわふわだ……」    あまりにも、しつこく耳を掴むのでケモノらしき人物は勇者に助けを求めました。    「勇者、この馬鹿をどうにかしろ。俺様がもたねんだよ。」    「は、はぁ……。あの、シュリさん、その…耳を掴むのはあまりよくないですよ。」    「勇者も、キャッツも酷い……。俺は……ただ、こうしてじゃれてただけなのに……」    シュリは今にも泣き出しそうになっていた。 勇者はなんとか泣かれない方法を考えて、ある方法をシュリに試すことにしました。 その方法とはキスだ。    「シュリさん……」     ちゅっ……    「ん……!」    「勇者、お前……」    「ん…んんんっ……ぷはぁ……ゆ、勇者……」    いきなり勇者からキスをされ動揺するシュリは顔を赤らめてしまい、キャッツは驚いていた。    「お前、大胆すぎるだろ。」    「そんなことはないですよ。私は幼い頃から両親にそう教わっただけなので。」    「にしても、シュリにはちと早すぎたんじゃねーのか?」    キャッツは勇者に小声で言うと、(ん~どうなんでしょうね)と小声で答えました。    「ところでキャッツさん、さっき言ってましたが出会したくないと言う人って誰なんですか?」    勇者は話を戻しキャッツに質問しました。 すると、キャッツはこう答えました。    「俺は元々、アルトと友達だった。だが、ある日俺はアルトと喧嘩して仲直りもせずにずっと1人で暮らしてたんだ。」    「う~ん、それってようするに仲直りをすれば解決するんじゃないんですか?」    「簡単に言うな……」    びく!……    (うぅぅ……)    「わ、悪かった。」    キャッツは泣きそうになった勇者に謝罪をし話を続けた。 話を真剣に聞いていると、後ろから(久しぶりですね)と言う声が聞こえたので振り向いてみるとそこにはなんとアルトがいたのです。    「キャッツ、あのときはごめんね。僕、ずっと後悔していたんです。」    「アルト……。俺も悪かった。」    「ふふっ仲直り出来てよかったですね。」    勇者は2人が仲直りしたことが嬉しかった。 だが、まだ1つ気になることがあった。 それは、あの青年のことだ。    「あのシュリさん。」    「ん?」    「シュリさんは長く生きてんですよね。もし、そうだったら教えてほしいことがあるんです。」    勇者は真剣な表情でシュリに聞いてみることにしました。 何故あの青年は記憶喪失なのか、何故勇者は魔王を封印すると命を落とすのかが気になっていたからである。 すると……    「うん……勇者のためだから……教えてあげる……。だけど…その前に…勇者……」    「……?」    「お腹……空いた……」    ……ズコーーー……    「シュ、シュリさん……」    「えへへっ……」    モグモグ……    シュリは勇者からお菓子を貰い嬉しそうに食べ始めた。 そして、食べ終えると約束した通りに話してくれました。    「あれは今から500年前の話になる。俺はその時、勇者と共に魔王封印をするためのレイヤーになった。」    「レイヤーって。っ!もしかしてシュリさん」    「うん、勇者は魔王を封印することに成功した。けど……」    シュリの表情が急に悲しそうになり……。    「けど、俺の力不足により勇者は記憶を無くし長い眠りについたんだ。その勇者の名前は……」    「な、名前は……」    ・・・・・    ぐぅ、ぐぅ……    「だ、だから、寝ないでください……」    勇者は再び気持ちよく眠るシュリの肩を優しく揺さぶり起こそうとするが起きようとしてくれず困り果てていると、キャッツとアルトも起こすのを手伝ってくれました。    「おいテメー、いい加減に起きろや」    「シュリ、起きてください。勇者さんを困らせてはいけませんよ。」     ………ん………    「たく、お前は世話をかかせやがって。」    「キャッツさん、そんなに怒らないであげてくださいね。シュリさんも悪気があって眠った訳じゃないので。」    「勇者さんはお優しい人なのですね」    アルトの目が急に輝き始めました。 キャッツはと言うとまだ少し怒っているようだが勇者の言葉によりなんとか苛立ちは治まり……。    「俺が悪かった。おいシュリ、続きを話せ」    「ん……わかった。その勇者の名前は……」    「な、名前は……」    「リョウタだ。」    3人は500年前の勇者の名前をやっと知ることが出来たのである。    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:キャッツ    性別:男    年齢:21歳    誕生日:8月24日    種族:ケモノ(猫)    その他:???    武器:拳    ☆★☆★☆★    レイヤー(仲間)    名前:アルト    性別:男    年齢:19歳    誕生日:6月3日    種族:人間    その他:科学者で幼い頃、キャッツと面識がある    武器:本    ☆★☆★☆★
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