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春が迫りつつあるような、三月上旬の夕方……
東京都中央区にある東華大学二年生の森村シンジは、自宅に近い商店街を考え事をしながら歩いていた。
彼は同大の『SF愛好会』の会長なのだが、四月上旬の新年会でのテーマを
決めかねていたのだった。
そこで、何かヒントがあれば……と、よく行く古本ショップへ向かって
いたのだ。
かなりのSFやミステリーが好きなシンジは、その古本ショップで時々、いいな……と思った書籍は、買うようにしていた。
古本ショップに近付くと『店内全品値下げフェア』をしていることが分かったので、シンジは駆け足で入店した。
そしてエイジも他の客にまじって、山脈なような古本を物色していった。
適当な古本を数冊買ったシンジは、ショップを出ると近くのコンビニに
入った。
例によって弁当とペットボトルのお茶を買ったシンジは、足早にRコーポへ帰宅した。
が……
「あっ、一個も無い……」
タバコを切らせたことに気付いた彼は、再びコンビニへ向かった。
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