SF‧ 今昔奇談 ~シンジの時空旅~

1/11
前へ
/11ページ
次へ
 春が迫りつつあるような、三月上旬の夕方……  東京都中央区にある東華(とうか)大学二年生の森村シンジは、自宅に近い商店街を考え事をしながら歩いていた。  彼は同大の『SF愛好会』の会長なのだが、四月上旬の新年会でのテーマを 決めかねていたのだった。  そこで、何かヒントがあれば……と、よく行く古本ショップへ向かって いたのだ。  かなりのSFやミステリーが好きなシンジは、その古本ショップで時々、いいな……と思った書籍は、買うようにしていた。  古本ショップに近付くと『店内全品値下げフェア』をしていることが分かったので、シンジは駆け足で入店した。  そしてエイジも他の客にまじって、山脈なような古本を物色していった。  適当な古本を数冊買ったシンジは、ショップを出ると近くのコンビニに 入った。  例によって弁当とペットボトルのお茶を買ったシンジは、足早にRコーポへ帰宅した。  が…… 「あっ、一個も無い……」  タバコを切らせたことに気付いた彼は、再びコンビニへ向かった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加