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川の中へこの身を投げ出してしまおうかと考えた。
しかし、茶色に濁った水はとてもキレイとは言えないから。
嫌だなあと思う。
部屋のベランダから飛び降りて怪我をして入院したいと考えた。
しかし、打ち所悪くて後悔するような状況になったら、それはそれで嫌だなと思った。
車の運転をしている時は、適当な電柱か何かに突っ込んで行き、怪我をして入院したいと考える。
しかし、修理代が掛かるのは嫌だった。
台所の包丁を切腹に用いるには、どう見ても切れ味が悪そうで。
首を斬り落としてくれる介錯人もいないというのに。
痛いのはイヤと、ぼくも人並みに、いろいろと考えてみた。
一面の白さに、全てが覆われて、見えなくなって。
会社もぼくも全部全部埋まってしまえば良いのにと、冬眠ではなく、永眠したいが口癖になった冬のこと。
雪は幼い頃から好きだったけれども。憂鬱な日々は悪化するばかりで。
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