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「とはいえ、まだお前またウダウダ悩んでるんだろう?」
なぜ後ろにいる水島には分るのだろう。それこそ、師匠たる所以なのだろうか。
「ま、大丈夫だ。空はいつでもお前のことを待ってるよ。そのままブルーサーマル(上昇気流)に乗って上に行こうぜ。ちょうどここにある!」
「え?」
そういうと水島は操縦桿を倒しバンクをとった。高度計が時計回りに数字を刻んで上昇していく。勇治の心の中に広がっていた雲が、すっと晴れた気がした。
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