第六章 海水と灰

18/18
226人が本棚に入れています
本棚に追加
/424ページ
「被害者が加害者になってゆく前に、解決しないといけないよな……」  市役所に就職していた、被害者の妹の愛彩は、橋本からも聞きだそうとしていた。主に、遺体をどこに処分したのか知りたかったようで、橋本と一緒に食事に行ったり、飲みに行ったりして高校時代の話をした。  更に愛彩は、真野の彼女でありながら、橋本とも付き合っていた。だが、他にも愛彩には本名がいて、学生時代から付き合っている彼氏と、結婚する約束もしていた。愛彩は、どうしても知りたい事があると彼氏に告げ、一年間の自由を貰っていたのだ。  すると、橋本は高校時代に立ち入り禁止になっている、鍾乳洞によく行っていた事が分かった。鍾乳洞には地底湖があり、そこに死体を捨てていた可能性もある。 「行ってみるかな……」  骨になっていても、家族の元に帰りたいだろう。
/424ページ

最初のコメントを投稿しよう!