第七章 海水と灰 ニ

2/17
226人が本棚に入れています
本棚に追加
/424ページ
 調整だけにしては、ここでネズミが消え、クリップが振動していた。 「もしかして、中の死体を消そうとしている?」  死体を消されてしまったら、殺人事件として立証できなくなってしまう。俺はチビ3を出すと、蓋を開けた。 「夏目ちゃん!!!壊さないでください!チビ3は役に立ちます!!!!」 「分かっている!」  こんな場合もあるかと、改良キットを作っておいたのだ。普段は使用されたくないので黙っていたが、チビ達はまだまだ可能性がある。 「よし!!チビ3、羽を付けたから飛んで中を見て来い!!!ライトも装備している。戻って来るだけのバッテリーを残して作業!絶対に壁地面、物には触れるな」 「ラジャー!!!!!!!!」  チビ3の映像を、西海の端末で見ていると、中で倒れている人を見つけた。若い女性なので、愛彩なのではないのか。更にその先には、同じく倒れている男性がいて、橋本であった。 「あ!ここにも、大量のクリップ!」  このままでは、二人が液体になってしまう。
/424ページ

最初のコメントを投稿しよう!