第七章 海水と灰 ニ

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 橋本がいても、伊津見はウィルが仕事から帰ってくると、玄関まで走って行き抱きつき、キスをした。更に、橋本がゲストルームに泊まっているというのに、二人は愛し合っていた。 「暖炉の前で始まっていて、俺は慌てて部屋に戻ろうとしたけれど、つい伊津見を見てしまったのです……」  伊津見とウィルは全裸でキスをしていて、橋本が見ている事にも気付いていなかった。 「伊津見には何か違和感があり……やっと原因が分かった。伊津見には、小さいけれど胸のふくらみがあった。それで慌てて下も確認してしまった、でも、下はちゃんとついていた」  豊胸手術で付けた胸というものではなく、ほんのりとふっくらしている程度の胸であった。それだけで、女性的に見えるのかと、つい観察してしまうと他も違っているように見えたらしい。
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