第十五章 クリスマスには神を殺そう 五

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 すると、資料の中に、殺人犯が暗示に掛かっていたと証言した場合、罪は誰にあるのかという質問のようなものがあった。これは法律の問題で、公安には関係ないだろう。でも、分かっている事は、公安は暗示によるものでも犯罪をした者を捕まえる。更に、暗示を掛けた者も捕まえる。 「捕まえても罪にならなければ……」  俺は、同じ暗示で、殺してしまった。目には目をとも言うが、それはこの国の法律ではない。 「俺はダメだな……」  この国にいる限り、この国の法律で裁かなければいけない。 「そんな事は分かっていますよ。でも、夏目さんがいなければ、犯罪者と戦えない」 「!!」  西海は資料を壬生に渡して、報告書を仕上げて貰っていた。 「戦う事を忘れてしまった連中は、夏目さんを罵りますが、それでも、夏目さんは必要悪で、必要な善なのですよ」
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