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「なんだこれ?」 「あ、あなたも起きた?」 「は?」 「ですよねー、そうなりますよねー」 「あははは、うんうん、その反応。数分前の私だわ」 「ちょっと、静かにしてくれます?お経が聞こえないんですけど?」 「はぁ?」 「あ、ごめーん。でね、あなた、この状況、理解出来る?」 ふいに黒縁からふわりと浮かび上がった青年に、左隣の女性が明るく話しかけた。 その女性の隣では気弱そうな眼鏡の男性が。 話しかけてくる2人の反対側、青年の右隣から2人を諌める声を掛ける女性もいる。 左の女性の問いかけに青年は戸惑いを顕に首を捻った。 「私たち、死んじゃったんだって」 「は?!」 「ですよねー、そうなりますよねー」 「あははははは!」 「ちょっと!静かに!」 左の女性の言葉に驚きを隠せない青年の反応に、各々が騒がしく沸いた。
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