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「私はカスガといいます。静かにしてください。私はあのお坊様のお経を聞いているんです!」
右隣の女性、カスガは憮然として口調を強くしながら真ん前に陣取る坊さんを指し示した。
ツルリピッカーんな頭を直視し、思わず手で目を庇い顔を逸らす。
「あー、あれね。そんなに良いモンでもないと思うよー?マイク使ってるから壁に声?音?が反響して読んでるんだかボヤいてるんだか分からないもーん」
「ですよねー」
「はあ?あれは私たちのために読んでくださっているのですよ!なんて酷いことを!」
「ですよねー」
カスガはルミの言葉に噛み付き、一触即発。
いや、紛争勃発しかかり、ハンダは面白がっているのか、はたまたそれが通常モードなのか、同じ台詞を繰り返す。
「えー?あなたそんなに早く成仏したいの?」
「当たり前でしょ!何時までもこんな所にいたら転生出来ないじゃない!」
「「あ、ソッチ系の人?」」
「ぶふっ!」
どう見てもカスガはルミと同じ年代に見えるが、その発言についルミと声をハモらせてしまった。
輪廻転生なんて、2次元の世界の話しだと思っているんだけどな。
直後に吹き出したハンダにも、カスガは顔を赤らめて鼻を鳴らし、頬を膨らませてそっぽを向いてしまう。
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