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「い、いや、あなたの所為じゃない、と思いますよ?」
「そ、そうですよ。あなたの責任だと一緒に葬儀なんてしないでしょ」
「そうそう、他に何か原因かあったんですよ、ね?」
「う、うん、そうそう!だから、気に病まないで、一緒に成仏しましょ?」
4人は揃って運転手を慰めにかかり、愚図る赤子を宥めるかのようにあやす。
運転手は大きく鼻を啜り、しゃくりあげながら深々と頭を下げ謝り通した。
わたわたと慰めている間に式は終わりを告げた。
お坊さんが一礼をして頭を上げ終わると事更に眩しく反射された光に誰もが目を細めた。
「終わった」
「あー、終わったねー」
「ですねー」
「終わっちゃった.......」
「スミマセン...グスッ」
これでこの世とはオサラバとなるのだろう。
そう思うと離れがたくもあり、寂しさに苛まれて自然と涙が込み上げてくる気がする。
「ねぇ、最後にさ、やってみたい事があるんだけど、一緒にやってくれない?」
感慨に耽って会場を眺めていると、ルミが態とらしく明るい声音で話しかけてきた。
訝しんで見せるとヘラリと笑って内緒話の如く声を潜めてくる。
その提案に5人は唖然としつつ、ふわりと笑顔を浮かべた。
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