4人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
教室に着くと自分の席に座り教室内を見渡した。
まだ半数以下の10人しか登校してない。
いつもは1番に教室に入る俺だが、今日は登校中に知らないオジサンに声を掛けられて話を聞いていたら遅くなった。
その時に知らないオジサンから眼鏡を渡されたのだが、意味が分からない。
手にしている眼鏡を見るが、普通の黒淵眼鏡。
俺も普段から眼鏡を掛けているが、縁なしで柄が細いブルーだ。
渡された眼鏡はフレームが少し太いので俺の趣味じゃない。
中学生までは銀色のフレームでオジサンぽい眼鏡だったのは学校指定の色が銀と黒の二択だったから仕方がない。
俺が通う高校では派手な色や奇抜な形をしてなければOKとの事で今はブルーの眼鏡を掛けている。
教室に入って来た女の子が「おはよう」と声を掛けているのが聞こえて顔を上げる。
だけど、それは俺にでは無い。
その女の子が友達同士で楽しそうに会話をしているのを見て『俺もその中に入れて欲しい』とか思ったりしたが、俺は人見知りをするので入れられても困る。
特に女の子の前だと緊張して言葉が出なくなるので無理だ。
身内を除いた女の子と会話をするのは小学生の低学年が最後だった気がする。
女の子達を1秒程見ていると俺の視線に気付いたのか、1人の女の子がこっちを向く様な動きをしたので慌てて下を向いて手にしている眼鏡を見て誤魔化した。
その眼鏡の柄の部分に小さなボタンやダイヤルが付いている。
まるで、某探偵マンガの主人公がしているハイテク眼鏡みたいだ。
知らないオジサンは何で俺にこの眼鏡を渡したのだろうか?
眼鏡に付いているボタンやダイヤルの使い方を教えてくれたけど、俺には理解出来ない。
使い方とかは覚えたけど、理解出来ないのは眼鏡に付いている機能の方だ。
現実的に不可能と思われる機能が、この眼鏡に付いているらしい。
その機能とは、『透視』だと言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!