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二人がスピードを上げてくれなかったことが不満らしく、楓は頬を膨らませていた。
「もう、遅いよぉ」
「花楓が早すぎるんだよ。はしゃぎやがって」
「だって、楽しいんだもん。それに、今回の旅行はまだまだ予定がてんこ盛りだからね」
「ええ、そうね。たっぷり遊びましょう」
遥はそう言いながら花楓の頭を小さく撫でた。
「なぁに? 遥ちゃん」
「花楓ちゃんが可愛いなと思って」
「えー、遥ちゃんも可愛いよ?」
そう言いながら慎重のさほど変わらない友人の頭を花楓はなで返した。
「はいはい、二人とも可愛いから景色見ようよ」
桂里奈は二人の体を景色の方へと向けさせた。
「あら、とっても綺麗ねぇ」
遥の言葉に花楓は何度も頷いた。
「でしょでしょ、サイコーの眺めだよね?」
「すげーな。ちょっとこれはなかなか無いわ」
三人並んで欄干に体を預け、しばし景色に見入った。
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