幻覚

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翌朝、腹が痛くて目が覚めた。 ナースコールをすると看護師がきた。 もうすぐ回診なので、それまで待つように言って何もしてくれなかった。 回診になって医者がきた。 俺は、初めましてだけど…きっと世話になったんだろう。 「夜中に動きましたか?」 「覚えてないです。」 「傷が開いて出血してますね。 ちょっと縫いますね。」 そう言って、ちくちくと痛かった。 「奥さんはどこにいる?」 医者がナースに聞いた。 「着換えを取りに行きました。」 「動かさないように行っておいて下さい。トイレはベッド上で。」 「解りました。」 2人の会話の意味が分からなかった。 回診が終わると、多田刑事がきた。 「あれ?真美さんは?」 「真美って何の事ですか?」 「真美さんに付き添いを頼んだけど…勝手な真似をして悪かった。」 一瞬、頭の中が真っ白になった。 真美が夜中に付き添ってくれた。 あれは、夢じゃなかっのか? いやいや、まずいだろ。 夢だ。絶対に夢だ。 そう言い聞かせる事にした。
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