思慕

1/6
前へ
/112ページ
次へ

思慕

胸が締めつられる様にくるしい。 涙は、こんなにも出るのだろうか? 体の水分がなくなってしまうほど流れた。 もう、忘れたと思っていたのに … 「パパ、アンパンチしたんだよ! パパは、正義の味方なんだよ!」 凛々花のはしゃぐ声が虚しく聞こえた。 突然、家の電話がなった。 警察からだった。 母親に呼ばれて電話を変わった。 「多田です。すみません。 大泉が○○病院に運ばれました。 大泉の両親は、北海道に住んでいて間に合わないかも知れません。 真美さんに来て頂けないでしょうか?」 ……落ち着かなきゃ、しっかりしろ真美。 自分に言い聞かせ返事をした。 「解りました。すぐに向かいます。」
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加