思慕

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501室は個室だった。 中にそっと入ると多田刑事がベッドサイドの椅子に座っていた。 私に気づくと立ち上がり、近くのソファに二人で座った。 「真美さん、すみませんでした。 ご迷惑でしたか?」 「迷惑だなんて、そんな事ないです。」 「すみません。それなら、彼が目が覚めるまで付き添いしてもらえますか?誰も世話をする人がいないもので…」 「解りました。 私でお役に立つならやらせてください。」 「じゃ、ナースステーションにその旨伝えておきます。 宜しくお願いします。」 そう言って、多々刑事は慌ただしく帰ってしまった。 事件の後の色々な事があって、忙しいのだろう。 自分自身も心配だから、そばについていたかった。 一度病室を離れ、家に連絡をいれた。 手術が無事に終わった事と暫く付き添いをしたい事を話した。 両親は、凛々花は見ているから安心して看病するように言ってくれた。
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