もう、あなたとは暮らせない。

思慕

ぐっすり眠っている大泉さんの顔をまじまじと見た。

鼻筋の通った整った顔立ちだった。
口の周りに短いひげが生えていた。

浩二は、朝晩ひげを剃っていたから、ひげの生えているのは珍しかった。
そっと触るとちくちくした。

ドアがノックされて、びっくりした。
看護師さんが様子を見にきた。
点滴を抜いて、熱や血圧を測ってもぐっすり寝たままだった。

今夜は、安静にしていること。
回診までは、何も食べたり飲ませたりしない事。
何か変わった事があったらナースコールするようにと必要な説明をして行った。
こんなにもぐっすり眠っているから明日までは起きないだろう。

真美はベッドにもたれながら眠ってしまった。