喜び

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病室に戻ると大泉さんがベッドにいなかった。 さっきナースに散々注意をうけたばかりなのに… のんびり、洗面所でひげを剃っていた。 「何してるんですか?ベッド上安静って言われましたよ。」 「真美さん、付き添い有り難う。」 「だから、安静なんですよ!」 「体ベトベトなんだ。 体拭きたいけどだめかな?」 「か、看護師さんに聞いてきます。」 自分の顔が赤くなるのが分かった。 タオルで拭くくらいなら大丈夫と許可をもらった。 洗面器に熱いお湯を入れてタオルをしぼった。 拭いて欲しいと言うのをなんとか背中だけと納得させた。 結構、子供みたいな所があると呆れてしまった。 午後から、両親と凛々花がきた。 「パパ、凄いね。」 「パパ、いたい?」 凛々花がずっとパパって呼ぶから、看護師さんに可愛い娘さんですねって言われた。 大泉さんは、有り難うって普通に返事していたけど何も考えていないのだろう。
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