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立てこもり事件
最近、無差別に女性を狙った、切り裂き魔が現れた。
洋服を切られただけの人もいれば、服を突き破り重症の人もいた。
人気のない所や夜道…、
電車を降りる時だったり、
すれ違いざまだったり、襲われる場所は様々だった。
真美は、なるべく車で移動する様にしていた。
その犯人が警察に追い詰められ、
小さな雑貨屋さんに立てこもった。
店の客は、逃げた人がほとんどだったが、
従業員と客の5人が逃げ遅れた。
店のシャッターは、降ろされ中の様子は解らない。
テレビで立てこもり事件の中継が流れていた。
土曜日だった為、真美の両親が食い入る様にテレビをみていた。
「あっ、パパだ!」凛々花が大声で叫んだ。
えっ、真美は驚いてテレビを見た。
画面は変わっていて、犯人を目撃した人のインタビューが流れていた。
「凛々花、パパがいたの?」
真美の変わりに真美の母親が聞いていた。
「うん、パパがテレビに映ったよ。」
数分後、シャッターが半分開けられ、犯人が人質にナイフを突きつけてる様子が映しだされた。
犯人が逃走用の車を要求している様だった。
人質の首にナイフを突きつけて犯人は、後ろにいる様だった。
犯人の顔は、見えない。
凛々花の見間違いじゃないのか?
それは、あっと言う間の出来事だった。
警官の一人が犯人に体当たりしたのだ。
それから大勢の警察が犯人を取り囲んだ。
(犯人確保です。人質は無事です。)
(犯人逮捕されました。)
テレビの声が耳鳴りの様に聞こえた。
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