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生
朝の冷たい空気が籠る部屋に、大きな電子音が響く。僕は頭の傍にある携帯を手に取り、アラームを止めた。カーテンの隙間から白い光が漏れて、暗い部屋の一部を寂しく照らしていた。
朝食をすまし、髪の毛を軽く整え、顔を洗った後、厚手のジャンパーを一枚はおり、家を出た。太陽が厚い雲に覆われた不気味な天気にほっとする。この頃、太陽が嫌いになってきた。
「いってらしゃい」
「いってきます」
近所の小学生とその親が冷たい空気に温かい言葉を反響させていた。いつもこの光景を目にしては胸を痛める。僕の口からはあの人たちのような言葉はもう出ない。ただの白い息が出てはすぐ消えるだけだった。
両親が死んでから一年と一か月が経った。街中が赤や緑の装飾で埋まる季節、両親は突然消えた。僕の親が死んだというのに、世界はメリークリスマス、と笑った。
それから僕の人生は大きく変わった。視界は大きく狭まり、熱を失った。この世界の群れから独りだけはぶかれたような感覚が自分の中に浸透した。
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