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「ジェイドからも取ってただろ? もう 全部食ってるしよー... 早くね?」
「そうなんだ。交換かと思ったのに、ただ取って
食べて終わりだった」
話が聞こえる オレと朋樹は、長いグラスの底 近くにいるキウイのゼリーを、長いスプーンで掻き出して、さっさと食っとくことにした。
「細けぇよなぁ... 」
椅子を ずらす音がして、オレと朋樹の間から
顔を出してきた。予想を裏切らねぇよな。
細い頬。色が移り変わる 虹色の虹彩の眼に
ブロンドの前髪が掛かる。
「キウイは?」
「おう、食った」
「美味かったぜ」
朋樹越しに、四郎のグラスも見ているが
すでに 空。
ミカエルも プリンの皿と交換されて、ゾイは
「四郎も食べる?」と、オレらには 聞かずに
キッチンに引っ込んだところだ。
「ロールケーキも作ってあるんだけど... 」と
沙耶ちゃんが顔を出すと
「サヤカ! 聞いてくれ! こいつ等が
俺のキウイを食ったんだ!」と 嘆き出した。
午後の仕込みの時間で良かったぜ。
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